顧客満足度調査の質問方法は様々です。例えば、「どの程度、利用体験に満足しましたか?」と直接尋ねることができます。そうすれば、何人がどの程度満足したかを知ることができます。これは実際に満足度調査で最も一般的に使われる質問タイプです。このように満足度を直接尋ねる方法をCSAT(Customer Satisfaction Score)といいます。
他にも活用目的や領域の違いにより、NPS (Net Promoter Score)、CES (Customer Effort Score) など様々な指標が活用されます。NPSは「Aを周囲に推奨する意思はどれくらいありますか?」という質問を11段階評価で尋ね、CESは「Aの利用はどれくらい簡単でしたか?」と、利用時にどのくらいの努力であるかをを尋ねます。
このように、必要に応じて推奨意向や使いやすさを顧客満足度として測定する指標として活用することができます。では、CSAT・NPS・CESのうち、我々が満足度調査を行う際には、何を選ぶべきなのでしょうか。 今回は「満足度調査テキストブック」の第2部で取り上げている代表的な満足度調査の測定指標についてご紹介します。
CSAT:最も直感的に顧客満足度を測定
CSATは「Aにどれだけ満足していますか?」という直接的な質問で満足度を測定します。最大の特徴はその柔軟性にあります。CSATは1つの質問で全体的な満足度だけを簡単に尋ねることもできますが、細かい属性別の満足度をそれぞれ尋ねる体系的な調査にも活用できるのです。オンラインショッピングモールを例に挙げると、おすすめリスト・サイトデザイン・カテゴリー分類・決済・配送など、様々な属性に対する満足度をそれぞれ尋ね、属性別の満足度を総合的に分析することになります。
このようなCSATは、購入後、返金申請後、カスタマーサポートを利用した後など顧客体験直後に実施するのがベストです。これは、満足度というのがやや抽象的な概念なので、率直で正確な回答を得るためには、まだ記憶が鮮明なときに尋ねるのが効果的であるためです。SurveyLabによると、1週間以内の顧客体験を基準にすることを推奨しています(リンク)。そのため、CSAT調査を行う際には、回答対象者の条件を「1週間以内の利用者」とすることが多いです。
CSATで最も頻繁に使用される回答タイプは5点尺度です。とても不満からとても満足まで、顧客の満足度を5段階で細かく把握することが可能です。場合によっては、3・7・9・10段階の尺度を活用することもできますし、満足/不満あるいは、はい/いいえのような2点尺度で単純明快に回答を得る方法もあります。この場合、具体的な満足度を知ることはできなくても、満足/不満の割合がどの程度であるかを直感的に素早く把握できます。
CSATには欠点もあります。満足度は個人差による主観的な解釈の幅が大きく、定量化するのが難しいという点です。企業が顧客満足度を測定する最大の理由は、苦労して確保した顧客を知らずに離脱させないようにするためです。そのため、顧客満足度を調査して問題があると判断された場合、迅速に改善に取り組むわけです。しかし、満足度がサービスの継続使用意向や再購入意向を最も直接的に示すことができる指標かどうかを考えてみると、必ずしもすべてのケースでそうとは限りません。そのため、CSATが万能の指標であると安易に判断するのはリスクがあります。

NPS:推奨意向からビジネス成長の可能性まで
NPSは「Aを周囲に推薦する意思がどれくらいありますか?」というたった一つの質問で顧客満足度を測定します。2003年にコンサルティング会社Bain & Companyで作成された後、今ではグローバル企業が顧客満足度を評価する際に最も広く活用される指標の一つとなっています。標準化された、たった一つの質問で構成されているため、複雑な質問の設計が不要で、過去の調査結果と比較分析したり、競合他社の調査結果とも直接比較できるなど、活用度が高いです。
また、NPSは顧客満足度を示すだけでなく、ビジネス成長の可能性を測る指標としても活用されます。顧客が周囲の知人や友人に自社製品やサービスを推奨する意向が高ければ、それだけ潜在的な新規顧客の獲得が期待できるのです。そのため、NPSは急成長しているスタートアップが投資家に長期的な収益性と成長性を示したいときに活用されることもあります。
NPSの項目は11段階評価で構成されています。0~6点は批判者、7~8点は中立者、9~10点は推奨者に分類し、推奨者の割合から批判者を差し引いた値で結果を計算します。例えば、ブランドAが顧客500人を対象にNPS調査を実施したとします。もし9~10点が260人、7~8点が140人、0~6点が100人であれば、推奨・中立・批判の顧客比率はそれぞれ52%-28%-20%となります。そうすると、ブランドAのNPSは52から20を引いた値である32点であることが分かります。
では、この32点が良い点数なのかどうかはどのように判断するのでしょうか。業界平均や主要競合他社と比較して判断するのが一番良いですが、NPSを作ったベイン・アンド・カンパニーが直接提案している基準もあります。基本的に0以上であれば及第点、20以上であれば良好なスコア、50以上であれば素晴らしいスコア、80以上であれば世界的なレベルのスコアと見ることができるそうです。したがって、32点であれば良好なスコアと判断することができます。
しかし、NPSに対する批判的な声もあります。実は、NPSが広く活用される理由が、レファレンスが多いためです。グーグルに「average nps score by industry」で検索するだけで、業界別の平均NPSを簡単に確認できます。しかし、それは英語圏に限られた話で、文化圏の違いで回答傾向が異なる場合、英語圏との直接比較は難しいでしょう。そのため、NPSをしっかり活用するためには自社と競合他社のNPSをあわせて確認したほうをおすすめします。

CES:使いやすさを基準に満足度を測定
CESは「Aを利用する上での難易度はどれくらいでしたか?」という質問で、顧客の努力度を測定します。サービス利用にかかる苦労が少ないほど顧客ロイヤリティが高いと見る指標であり、CSATと同様、主に5段階評価で回答を収集します。CESは、現在はガートナーに買収されたCEB (Corporate Executive Board) が2008年に開発し、ハーバードビジネスレビューに紹介された後、大きな注目を集めました(リンク)。
CESは、NPSの欠点を補完した指標と評価され、広く活用されています。先ほど、NPSは原因の把握とフォローアッププランのためには追加調査が必ず必要であると述べましたが、CESはスコアが低いということ自体でユーザビリティの改善が必要であることがわかります。質問の際に「Aの決済プロセスはどのくらい簡単でしたか?」など、状況を特定することで、どこでユーザビリティを改善すべきかも把握できます。その点で、CESはまさにフォローアップ対策が実践できる調査であると言えます。
モバイル時代になり、CESの価値はさらに高まっています。これは、企業と顧客の接点がモバイルアプリ中心に変わり、簡単で便利なアプリでの利用体験を提供することがすべての企業の主要なビジネス目標になったためです。eコマース分野だけでも、楽天市場の簡単な決済やAmazonの迅速で便利な配達を経験すると、他のショッピングアプリの価格競争力が高くても、そちらに移行するとは考えにくいです。
もちろん、CESにもデメリットはあります。顧客が企業のビジネス実態を全く考慮せずに回答してくる可能性があることです。例えば、そもそもモバイル専用に作られたサービスなのに、ある顧客はPCなど他のデバイスの利用が難しいという理由で低い点数をつけることがあります。顧客が苦労している部分が、自社のビジネス方向性によっては改善の必要性がない場合もありますが、CESの結果にはその点が考慮されません。そのため、CES調査を行う際には、指標の限界を明確に把握しておく必要があります。

顧客満足度調査についてもっと知る
今回は、CSAT・NPS・CESと様々な満足度測定指標について見てきました。実際、それぞれの指標は重視している部分が少しずつ異なり、どのような状況でも使える万能な指標を一つだけ挙げるのは難しいです。そのため、リサーチ会社を通じて満足度調査を行う場合、企業が置かれている状況に応じて様々な指標を複合的に活用して質問を構成するのが一般的です。
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